7615京都きもの友禅 2019年3月期決算

超長期保有銘柄。かなり悪い決算で将来が危うい内容、とても買えない。売上も利益も10%近く減少する中で、営業活動費を多く使ったので、損失が膨らんでいる(おおよそ売上92億に対して損失8億)。純資産も年々目減りしており、配当余力も急激に低下中。なんとか今期は5円配当するようだが、業績が回復しないと無配に転落する可能性が見えてきた。

振袖販売から一般呉服を売る、というビジネスモデルは理解できるが、それがここ数年回復していない(テコ入れしても回復していない)にも関わらず、振袖の売上回復を戦略の基本方針に置いていることに疑問を感じる。とてもV字回復するようには思えない。当面は利益を出せる体質に戻す事が先決という事か。

財務状態もやや心配。資産の中で売掛金と商品在庫が60%近くを占めているので、リスクがある。昨年度も営業赤字だった事を考えると、黒字化には10%以上の売上増が必要という事。和装事業の粗利益率は60%以上あると報告しているので、本来はもっと利益が出せると思うのだが。。

6932遠藤照明 2019年3月期決算

超長期保有銘柄。結論から言えば、不安が残る決算内容。当面の間は下値が堅そうだが、主力の照明機器事業が減収減益、価格競争が激しいと報告している事が気になる。照明機器が最も利益率と売上高比率が高いので、ここが崩れると大変厳しい。

売上微減だが、営業利益が+9.2%、EPSが158.98円。ただし、為替差益による利益の寄与分が大きい(675百万円)。営業利益ベースでみると、昨年度の2526百万円から2758百万円と1割弱の増加。実力値はEPSで100円弱の水準だと思う。PERは10倍以下なので、やや割安に思える。配当性向にも余裕があるので、将来的な増配は期待している。

2018年度業績 JT 2914

国内のたばこ事業は縮小続く、海外たばこ伸ばすが両者で帳消し状態で営業利益は拮抗している。事業規模は海外の方が大きい。為替の影響を強く受ける。
2019年は利益が低下見込みだが、配当金は半期75円から77円に上げる予定。株主優待の条件も変更される予定、長期保有で特典が得られるが、権利は12月末のみ。
加工食品事業の利益率がとても悪いのが気になる。医薬事業もまだまだ小さい。海外のたばこ事業がどこまで長期安定性があるのか?加熱式で出遅れているのも痛い。世界的に見れば、シェアはまだ低い。

NTT Docomo

設備投資負担や利用料金の低下、M&Aの失敗、規制緩和などが危惧され、KDDIやボーダフォンとの消耗戦となっていた。ドコモはいち早くI-Modeなどの独自コンテンツやパケット使い放題などで対抗。それなりの利益を上げながらも株価は低迷していた。

平成16年にて2.6兆の売り上げ、4000億の営業利益(APU7500円程度)を出していたが株価は15万程度だったが、今では4.6兆の9000億とほぼ倍増している。

なんだかんだで個人的に見ても、携帯時代からスマホ時代で通信費は増加した。同時に必需品としの価値も向上した。当時はまだPHSも数多くあり、携帯電話を持っていなくても不思議では無かった時代だった。必需品を独占的に抑えている会社はやはり強い。

ドワンゴ

i-modeコンテンツ、MMORPGなどネット初期の娯楽を主導した会社。多くの波を経験して強く生き残った数少ないネット企業の一つ。エイベックスとの提携やニコニコ動画など、定期的に話題を提供。

最後は角川と経営統合。角川1.168株、ドワンゴ1株に対して新会社1株。旧角川48%、ドワンゴ52%(時価総額926億+1076億)で、単純計算で2000億が経営統合時の時価総額。

ただし、これは新旧メディアの統合失敗例になりそうな雰囲気が漂っている。時価総額はじり貧で1000億、シナジー効果も見られず、業績も下降気味。

高速

非常に地味ながら、食品包装、加工系の資材を中心に業績を伸ばしている。M&Aを駆使しながら業績を伸ばしており、13期連続増配は立派。

PERは低いままだと思うが、配当余力やPBRを考えれば1000円割れは長期狙いで良いと思う。リスクは経営方針が変わって、急拡大や多角化を始めた時。

メディネット

万年赤字のバイオ企業。設立して20年もなるのに、まだベンチャー気分なら最初からタイミングを間違えている。しかもまともに20年間、同じ事業を黒字化出来ていない。今後、黒字化できるのだろうか。利益剰余金はマイナス86億まで膨らんでいる。

社長が大株主だが、その比率は低下中。上位の株主にはネット証券が並んでいる現状はもはや風前の灯と思われる。1%以上を保有しているのは社長とIHNという会社だけ。総資産もブクブク膨れているのに、売上高は変わらず。技術は素晴らしいのかもしれないが、売っても売っても赤字な状態はビジネスとして成立すると思えない。

三菱自動車工業

2005年3末に4748億円の損失を出す、いわゆるリコール隠しと三菱ふそうに関わる補償、この時点で繰越損失は約7400億円。資本金が6400億なので、もう倒産寸前状態(資本合計1.6兆で負債が1.25兆円)。三菱グループや外資からの金融支援(7802億円)が無ければ存続は出来なかっただろう。

2016年の燃費問題の1450億円の赤字なんて小さく見えてしまう。しかし、すでに2005年に三菱自動車再生計画を打ち立てて、コンプライアンス・信頼回復・社外の目・CSR・自立再生など言っていたのにこの結果だから、自立再生を諦めても当然かな。燃費問題で人名が失われるわけではないので、まだ救われる。

ファイ

スーパーボロ株。2005年にトランスデジタルに社名を変えたが、2008年8月28日に不渡りを申請して9月1日に民事再生法申請して9月30日に上場廃止。不渡りから廃止まで1円売り気配という伝説を作った。

元々は日本MICというSE系の会社だったが、ファイに変わった辺りから迷走し始めて、最終的にトランスデジタルで破綻。社長は民事再生法違反で懲役1年6か月の実刑を受ける。

毎年、当たり前のように赤字を出すが潰れない。株式市場やバックにいる投機会社(オメガプロジェクト系)の支援で資本増強を繰り返してきた。しかし、これも株価が数円になってしまっては出来なくなってしまい、ついに倒産。例えば、総資産37億で24億の赤字、総資産86億で42億の赤字など常識では考えられないが、それでも数多くの個人投資家(株主数は10000人弱)が踊らされたのは良い教訓となる。自分も含めてスキャルピングで参加した人は多いだろう。

ちなみに事業報告書には写真もグラフも一切無く、商品はシステム開発とだけしか書いていない。

アラビア石油

サウジアラビアとクウェイトで自主開発油田を運用。2000年にサウジとの契約が切れて、2003年にクウェイトでの採掘権が切れてしまう。それまでの3年間は交渉内容に一喜一憂する状況が続いたが、徐々に状況は厳しくなっていった。同時に富士石油との経営統合に向けて動き出し、AOCホールディングスとなる。

クウェイトにて保有していた有形資産は没収されるなど厳しい内容となったが、同国とのビジネスは継続する事が出来た。しかし生き残れるような内容では無く、結局アラビア石油はJX日鉱日石開発に吸収される。AOCは富士石油の石油精製・販売事業を主力とすることになり、社名も変更。

当時は供給多寡で1バレルは約25ドル程度だったのが、今思うと残念。日の丸資源開発として国のバックアップがあるのでは?と言った思惑などで取引は活況だった。結果的には自主開発したところで、最後には設備含めて没収される運命にあるなら、投資しない方が賢いという判断だろう。しかも政府には現在の国際石油開発があるので、小さなアラビア石油など取るに足りなかったとも考えられる。