GPIFについて考える

相場環境が変わって貯め込んだ日本株をどうするのか気になったので、GPIFについて簡単に見てみる。短期的には30兆円分の株式を保有し続ける事を考えれば、株式相場が極端に崩れる事は無いか。問題は積立金を取り崩し始める時に相場に売り圧力が生じる事、それはまだ30-40年先だろう。

GPIFの目的は年金財政を約100年間で均衡させるために、その間に運用収入と積立金を使って年金財源の年10%程度をカバーしようという試み。なので、期間限定でリスクも限定された、安全を見た運用だと思う。

積極運用になってから株式の保有比率が24%から50%に上昇。
国内債券比率60%⇒35%
外国債券比率11%⇒15%
国内・外国株式比率 各12%⇒各25%
上記を目標にしているが、実際は国内債券の比率は27%弱になっている、代わりに5%程度の短期資産(現金と思われる)。これは国内債券がもはや低利回り過ぎて投資対象としてはリスクしかないという事。

結果的に2001年以降に年率3%を出せたのは、この決断をした事が大きいと思う、国内債券60%を維持していたら、年率1%もいかなかっただろう(収益の2/3は株式)。ただし今後も3%台が維持できるか疑問。特に株式は今までの様に一本調子で上昇する相場は終わったように思える。

国内株式に38兆円弱の資産を有している訳だが、運用実績の収益に含み益を入れているならば、今後の相場展開でマイナスになる事を懸念。それでも累積の収益が66兆円(そのうち35兆円が利子・配当)あるので、トータルでマイナスになる事はほぼないだろう。2%台前半に落ち着くと予想する(試算目標運用利回りは1.7%?)。

なので、GPIFの運用が少し悪くなったところで年金にはほぼ影響ないし、運用利回りがマイナスになる事も無いだろう。逆にプラス運用でも年金財源に大きなインパクトは無い。

GPIF運用成績

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です